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執筆者の写真銅谷 守

投資物件購入の自己責任

スルガ銀行の不動産投資物件に対する不正融資問題が大きく動きました。


2019年11月21日付日経新聞の記事ですが、スルガ銀行の不正融資で過大な借り入れをしたシェアハウスのオーナーは物件を手放せば借入金が免除されるという方向に進むという記事です。


スルガ銀行は、所有者に意向を確認して物納を希望する人には物件を手放せば借金はチャラにしてあげるということですね。


スルガ銀行は物納された物件を、投資ファンド会社等に売却して、売却による損失はスルガ銀行が被るという考え方みたいです。


この報道のように本当に話が進めば、シェアハウスを購入したオーナーはある面ラッキーですね。


オーナーの多くはサラリーマンだと記事にありましたが、今回の件は、銀行・売主(業者)・仲介業者が知識の薄いサラリーマン相手に組んだスキームでターゲットが老後の資金や副収入を夢見たサラリーマンだったみたいです。


このような話は今回に限ったことではなく、リーマンショック前にもいろいろなところでこのような話を売主からも買主からも聞きましたし、まだ最近でもこのような売り方をしている業者は多くあると思っています。


私自身、今回の問題の大きなポイントは2つあると思います。


大きな2つの問題点

①仲介会社または銀行が審査書類を偽造した

➁買主が保証家賃を基に収支計算をした


①仲介会社または銀行が書類を偽造した

これに関しては、買主が本当に知らないところで行われてたの出れば問題ですが、中には買主が知っていたケースもあると思います。


私のお客様でもたまにいらっしゃいますが、購入の話を進めていくにあたり物件購入が目的になってしまっている方です。


当然のことですが不動産投資というのは長期投資です。


その中で一番怖いのが資金ショートです。


銀行は万が一物件の収入が一時的に減ってもほかの収入等で返済が出来るかという部分も審査します。


そこで今回のような事件が起こってしまったということです。


・書類の偽造を知っていた買主の場合は自業自得ですね

・書類の偽造を知らなかった買主の場合は、銀行や不動産業者の責任にしていますが、偽造した人が一番悪いのは当然ですが、賃貸事業者として考えるのであれば銀行が貸してくれるから買う、銀行が貸してくれないから買わないというのは間違った選択肢だと思います。


➁買主が保証家賃を基に収支計算をした

これも不動産業界では昔からよくある手口です。


家賃保証をあてに返済計画や収支計画を組むのは絶対に危険です。ましてや、売主や仲介会社が家賃保証するということは、保証家賃が高ければ高く売れるという構図が出来上がってしまうからです。


これに関しては、個人的には買う側が賃貸事業者としての認識不足だと考えています。


当たり前のことですが、家賃保証をあてに物件購入するのでなく、物件をしっかりと把握・分析して購入し、その上であくまでも保証として家賃保証を計算に入れることが必要です。


過去にも多くの家賃保証会社や共済などが破綻しています。


大手の建築会社でも建築してもらいたいがために高い家賃設定をして保証するからと安心させる手口は何十年も前からあり、万が一のために家賃保証会社を別会社にしているところが多いと思います。


悪いい方すると、家賃保証が出来なくなったら母体には影響なく倒産させてしまえばいい話ですからね・・・


まとめ

・不動産投資は自己責任で!!

・購入物件は家賃保証がなくても運営できるかを自分の目で信頼できるパートナーと一緒に判断する

・不動産賃貸事業者としての自覚をもつこと

・信頼できるパートナーを持つこと


今回の件で、金融機関は不動産投資物件に対する融資が非常に厳しくなりました。

これにより、市場に出回る不動産投資物件が適正価格になり、本当の賃貸事業者が適正価格で物件を取得して賃貸マーケットにいい物件が提供できるようになってくると思います。


ただ、これも時代の繰り返しで、またほとぼりが冷めたら同じ現象が起こるんでしょうけどね・・・


最後に注意!!

今まで国内で上記のような方法で収益物件の販売を扱ってきた業者が、最近は海外の不動産(特に米国)投資に同じスキーム(家賃保証)を持ち掛けて販売している会社があると聞きますので、くどいようですが、物件購入時には信頼がおけるパートナー(会社の規模ではありません)をしっかり見つけて投資をしてください。

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